言葉に宿る人生と、身体が感じる「安全」〜ラジオ番組からの大切な気づき〜

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きくだけセラピー、心にふく風

カウンセリングルームの永田です。

先日、仲間のあやまひろえさんがパーソナリティを務めるラジオ番組「きくだけセラピー、心にふく風」に、日本のポリヴェーガル理論研究の第一人者である津田真人先生がゲスト出演されました

私は日頃、業務の都合でなかなかリアルタイムで拝聴できないのですが、たまたま空きができ、いちリスナーとして参加させていただきました

2026年7月10日ゲスト紹介
2026年7月10日ゲスト

日本のポリヴェーガル理論研究の第一人者 津田真人先生をゲストにお招きしてお話をお聞きします。
ポリヴェーガル理論からみた自律神経のメカニズムとそれに纏わる「安心・安全」について、日々の私たちの暮らしの中でとても大切なことが
語られている超貴重な回です。ぜひお聞きのがしなく!!


 津田真人先生情報
津田真人先生は公認心理師。精神保健福祉士。鍼灸師。あんま・マッサージ・指圧師。
ソマティック・エクスペリエンシング®・プラクティショナー。
日本のポリヴェーガル理論研究の第一人者であり

著書「ポリヴェーガル理論を読む」「ポリヴェーガル理論への誘い」「治療関係がセラピを有効にする」など
1998年に開業以来東京国立市に「心身社会研究所 自然堂(じねんどう)治療室・相談室」開設
https://www5b.biglobe.ne.jp/~jinendo/
ポリヴェーガル理論に関する多数の講演会や勉強会を各地で開催され、専門家のご指導に当たっておられています。

ーきくだけセラピー、心にふく風 ゲスト紹介文より引用ー

放送では、津田先生が日々のセラピーの中で「身体と心は切り離せない」と感じられたご経験や、ポリヴェーガル理論との出会いについて語られていました。

今まで、自律神経といえば「交感神経(覚醒)」と「副交感神経(リラックス・鎮静)」と言われてきましたが、ポリヴェーガル理論では、鎮静を司る副交感神経に2種類あると言及しています。

2種類の副交感神経と「動けない」「動かない」状態

2種類の副交感神経
  1. 背側迷走神経:個体の生命維持のため(大人しく、動かないでおく)。死が迫る極度な危険の時に働きます。
  2. 腹側迷走神経:社会的なつながり、安全感の中でいられる「ホッとする」状態。

    従来、死が迫るような危険に対しては交感神経が働き、「戦うか、逃げるか」という状態になると言われてきました。

    トラブルが起きたら、自分が動いて環境を変えようとする状態です。

    ところが、「自分で動いてなんとかならない」時もあります。

    戦うことも、逃げることもできない時。

    そんな時、動物は呼吸を止め、体温を下げて「擬死(死んだふり)」をします。

    これと同じように、動けない・動かないスイッチが入ったままメンタルヘルスの不調になるケース(トラウマなど)が増えてきているそうです。

    今までは、交感神経のスイッチが入ったまま戻ってこられない状態は説明がつきましたが、副交感神経(背側)側から戻ってこられない方は説明ができず、交感神経側へのアプローチではかえって悪化してしまうこともあったそうです。

    また、「リラックス」についても、他者との安心できるつながり(安全感)があるからこそ、一人でいてもリラックスできる、ということが腹側迷走神経の働きから説明できるようになってきたとのことでした。

    「腹側(安全)で囲い込む」という関わり

    この「つながり」や「安心」は、頭(大脳)で理解できる部分もありますが、意識できない「身体」で感じられることが大前提になります。

    頭で「安全だ」とわかっていても、身体が「ここは危険だ」と感じている時は、回復にはつながりません。

    そこで大切になるのが、津田先生が仰っていた「腹側(安全)で囲い込む」という関わりです。

    動けなくなっている人を無理やり引っ張り出して動かすのではなく、どんな小さな空間でも良いので、「ここは安全だ」「動いてもいい」と身体が感じられるところで待つこと。

    外から動かされるのではなく、内側からエネルギーが出てくるのを待つことの大切さを学びました。

    そして、クライアントが「退屈」と言ってくれるようになるのも、実はとてもいい兆しなのだそうです。

    「退屈」とは、身体が安全を感じ、内側から「動きたい」というエネルギーが出てきているけれど、「何をしたらいいかわからない」状態とも言えるからです。

    言葉の重みと「クライアント語」

    さらに番組の後半では、大変ありがたいことに、私が送った質問を採用していただきました。

    ひろえさん、そしてご自身の言葉で丁寧にお答えくださった津田先生、本当にありがとうございます。

    私は、「身体反応を専門語に回収しない(簡単に言い換えない)」という津田先生の工夫やエピソードについてうかがいました。

    津田先生は、あるグループでのエピソードを交えてお話しくださいました。

    「嫉妬心」というテーマを出された方に対し、他の方が「私もジェラシーのことで悩んでいて…」と共感したところ、テーマを出した方は「私はジェラシーについて話していない。嫉妬心について話している」と怒ってしまったそうです。

    その人が自然に出す言葉、たった一つの単語であっても、そこにはその人の人生が凝縮されています

    似たような意味だからといって、簡単に言い換えて表現してしまったら、その人の人生をぶち壊してしまうことになりかねない。

    「クライアント語」で話すことの重要性を、改めてずしりとお腹に響く言葉で教えていただきました。

    単なるセラピーのテクニックではなく、津田先生の人間観のようなものの一端を見せていただいたように感じます

    効率化の先にある「時間」と「心」

    最近、AIの発展により、求められる効率化や大量の業務についてよく耳にしますし、私自身もそれを体験しています。

    しかし、その中で私が「効率化、要約、言い換え、合理化」を行う意味は、ただ業務を捌くためではありません。

    クライアントその人の人生に、ゆったりと腰を据えてお目にかからせてもらうための「時間」と「心」を作るためなのだと、改めて強く感じました。

    ひろえさんが届けてくださった「心にふく風」は、日々の臨床を見つめ直しなさいと、神様が伝えてくれたような、さわやかな風でした

    カウンセリングの場でも、あなたの言葉、そしてあなたの身体が教えてくれる大切なものと、一緒に過ごしていけたらと願います。

    おわりに 小さな安全のワーク

    今、この記事を読み終えて、身体はどんな感じがしますか?
    もしよかったら、そっと両足を床につけて、その足の裏の感覚を味わってみてください。床の硬さ、冷たさ、靴下の感触…。
    もし、少しだけ「ここにいる」感じがしたら、それはあなたの身体が感じた小さな「安全」のサインかもしれません。

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    カウンセラーのプロフィール&申し込み
    精神科にて従事する傍ら、個人カウンセリングを提供しております。臨床心理士、公認心理師、トラウマケアの一つであるSE™認定プラクティショナー。相談者さんがご自身の感覚を大切にしていただけることを重視します。

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